2022年10月7日、厚生常任委員会が開催され、意見発表を行いました。
意見発表の様子は、神奈川県議会インターネット議会中継でご覧になれます。
- かながわ自殺対策計画の改定について
自殺は様々な原因の結果です。その中でも、特に過重労働や依存症との相関性はデータでも高く表れています。希死念慮を持たない状態・環境を社会全体で作ることが最も重要であると考えますので、本計画の改訂においては、担当部局以外の部局や各種計画等との横断的な連携を念頭に入れた内容策定、運用を求めます。
また、SNS等、インターネット上における誹謗中傷において、命を絶つ事例が社会問題となっています。これらに対する対策もしっかりと明記していくことを求めます。
さらに、自殺ハイリスク地域への対応として、現在も行なっている削除申請も含めて、可能な限り、希死念慮の方々の目に入らない取り組みも引き続きお願いします。
- 大和綾瀬地域児童相談所移転工事設計費について
現在、藤沢にある中央児童相談所内に設置された大和綾瀬地域児童相談所の機能を拡充するために、移転することは実態に即した重要な方向性であると考えます。その上で、新しいインフラとして整備される児童相談所については、児童相談所の支援業務、近年の働き方、オフィスのあり方等を考慮し、児童相談所を利用される方、働かれる方双方にとって、より効率的かつ効果的な環境になるように設計されることを求めます。
- 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例素案について
まず、7月の厚生常任委員会質疑や本会議における討論において、私たちが強く指摘をさせて頂いた「人材の待遇と労働環境の改善」については、「障害者の福祉に係る事業に従事する人材の心身の健康の維持及び増進並びに処遇改善に資するための措置を講ずるものとする」という形で踏み込んで反映されたことについては、高く評価します。
また、私たちが併せて提案していた、共に生きる社会かながわ憲章の理念と取組も踏まえた「『共生』を意識した名称」について、副題「〜共に生きる社会を目指して〜」を今後の条例の説明や周知において用いていくという点についても、一定の評価をします。
思うに、今回の条例案は、完全なる理想を反映できるものではなく、現在の本県の置かれた状況を考慮した、身の丈にあったご提案であった部分もあると考えています。そこで、本条例は附則において5年毎の見直し規定がありますので、この過程において、障害者のみに留まらない、全ての県民が広く共に生きる社会を実現するための条例とするために、県民、議会、行政が一丸となってより良いものに育てていけるように運用することを期待します。
以上、意見、要望を申し上げ、本委員会に付託された諸議案のうち、定県第74号議案 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例につきましては、施(し)策の推進にあたっては、障害当事者とご家族の多様なニーズに対応できる受け入れ体制の更なる整備・拡充、担い手人材の育成・確保と処遇改善、実効性を担保するための財政支援と推進体制の機能強化に努めるとともに、諸情勢の変化に応じ柔軟かつ果断に見直しを行うこととの意見を付して、原案に賛成します。
これを除く諸議案については、原案の通り賛成または承認いたします。