午前中に、議会でのミーティングや執務を終え、午後は東京は溜池山王駅に近い日本財団ビルに向かいました。東京財団主催の「ニセ議会基本条例を斬る」という催しに参加するためです。
2006年に北海道栗山町で議会基本条例が制定されて以来、全国の80を超える自治体で議会基本条例が制定されてきました。しかし、当初の議会基本条例の良さが失われ、地方自治法の上辺をなぞっただけの条例が増えていることを東京財団は問題提起しています。
東京財団が考える議会基本条例の必須条件は、
1.議会報告会の開催
2.請願・陳情者の意見陳述
3.議員間の自由討議
が条例に盛り込まれていることとしています。そして、その全てをクリアしているのは、全体の6割程度との報告でした。
報告者として以下の3名が報告を行いました。
中尾 修(東京財団研究員・前栗山町議会事務局長)
参加者は、地方自治体議員が大半で、若い議員は少なく、壮年或いは年配者が多かったのが意外でした。
報告後の参加者との質疑の時間も十分とられており、3時間にわたる充実した意見交換が行われたように思われます。
意見交換の質問の中で、最も多かったのが「自由討議」に関わるものでした。私が過去にも指摘しているように、日本の議会には議員同士の「議論」はほとんど存在せず、役人に対する「質問」に終始しています。
確かに、質問は行政の見解を明らかにするという点では重要なのですが、建設的な提案や政策的な決定を議会として行っていく上では、目的とされるべきものではありません。
あまりに、議員間討議についての初歩的な質問が多かったために、研究員の1人から「議論のない会議が社会にありますか?」と逆に参加者に問うていました。
議会が議論をする場であるというのは、当たり前のことであるのですが、その当たり前のことを今までやってこなかった(やろうとしなかった)議会の意義が問われていると考えます。
なお、議会基本条例は自治基本条例とともに、本当の意味での自治体の憲法という観点から検討されうるべきものと私は考えています。