介護・福祉の施設・活動を巡る旅

介護・福祉の施設・活動を巡る旅57件目〜LGBTといっても多様です〜特定非営利活動法人レインボーコミュニティcoLLabo

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東京都世田谷区二子玉川にある特定非営利活動法人レインボーコミュニティcoLLaboの事務所にお伺いし、代表理事の鳩貝啓美さんと一般社団法人ことばの診療所代表の村田悠さんからLGBTについての基本的なことや現状などについてお伺いしました。

 

 

 

1.LGBTとは??

 

最近、メディアでもよく聞かれるようになったLGBTとは、女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の各語の頭文字をとった表現です。性的少数者と表現されることもあります。

 

どのくらいの人たちがLGBTとされるのかには、諸説あるそうですが、ある民間の調査ですと7%くらいの割合であったり、10人に1人の割合でいるそうです。これはちょうど、左利きに人の割合と同一とのこと。

 

こう考えると、必ずしも少数者とも言えず、かなりの人数がいることがわかります。

 

2.なぜ、あまりすれ違わないのか?

 

LGBTと分類される人が一定数いることはわかりましたが、身近にお会いすることはあまりありません。左利きの人には人生で何度もあってきましたが、同じ割合とは思えないくらいです。

 

鳩貝さんはこう指摘します。

 

「自分自身がレズビアンであることを認めたり、公にしたりすることに躊躇いを持っている人も少なくないからです。」

 

確かに、LGBTのどれかであることを公表することには、保守的な考え方も少なくない中、相当な覚悟と勇気がいることは想像することは難しくありません。

 

また、欧米と比較して制度面におけるLGBTへの支援や枠組みが欠落している点も見逃せません。

 

ちなみに、「婚姻もしくは同性パートナーシップに関する法律」を認めていないのはG7諸国の中でも日本だけだそうです。

 

3.人間というものの多様性と相対性

 

ところで、LGBTは、ある種の性的少数者の連帯を表現する言葉でもあり、それぞれの人たちが自分たちをLGBTと認識しているわけでは必ずしもありません。また、この言葉自体が十把一絡げ的な部分があることも否定はできません。例えば、レズビアンの人とトランスジェンダーの人が同じ意識であるわけでもないですし、同じレズビアンであってもその程度は様々です。

 

そもそも、男性と女性という二元的な価値観を前提とせずに、相対的な認識に立つならば、自分自身の性別に関する認識もグラデーションのような形になっていきます。

また、どんな人を好きになるか、という性的指向の中にも揺らぎがあります。
例えば、自分をレズビアンと認識している人であっても、100%女性を好きな人から、70%は女性・30%は男性でも大丈夫といった人まで様々とのことでした。

 

「性的」という部分に着目しすぎずに、多様性という観点からとらえ直してみると、LGBTへの見方も変わるかもしれません。

 

今日、coLLaboに伺って感じたことは、LGBTについてはもう少し見識を深めていく必要があるということです。政治の世界でも一種の流行りとなりつつありますが、欧米のLGBTの沿革を多少調べてみると、相当な年月と労力をかけた社会運動であることもわかります。また、LGBTという表現自体が限定的であり、不十分であるという考え方もあるようです。

 

いずれにせよ、共生という視点からは、あまり特別視し過ぎず、それぞれの立ち位置に関係なく自然体でいられる社会ができれば良いのかなと思います。

 

自分自身がもっとLGBTについて知り、学ぶことで、うわべに留まらない取り組みを進めていく必要があると感じた視察でした。

 

ご対応頂いた、鳩貝さん、村田さん、ありがとうございました!

 

coLLaboのHP: http://www.co-llabo.jp/index.html

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千里の道も一歩から

 

菅原直敏