小規模多機能ホーム「ぐるんとびー駒寄」を訪問し、代表の 菅原 健介 (Kensuke Sugahara)さんや福祉や医療に関わっている方々とお話しする機会を頂きました。
ちなみに、ぐるんとびーとは、デンマーク人の牧師詩人の名前で、デンマークへの留学経験がある健介さんが命名されたそうです。
1.UR団地内で展開される介護
ぐるんとびーは、介護保険上は小規模多機能型居宅介護施設に分類されます。通所介護、訪問介護、ショートステイを一体的に提供します。
この施設のユニークなところは、URの団地の一室にあるところでしょう。私も集合住宅に住んでいるからわかりますが、団地というのは様々な面で生活効率が良い建物です。ぐるんとびーが団地内にあることによって、団地内に住む人は、その中で効率的かつ効果的な介護を受けることができます。
当初は、法律や制度などの様々な障壁があったようですが、健介さんはこれらの障壁を創造的破壊の取り組みで乗り越え、開所にこぎつけました。
このモデルケースは全国的にも大変注目されており、今後の高齢社会における課題解決の突破口になる可能性があります。
2.み〜んなごちゃ混ぜ、それが生活
ぐるんとびーに入って印象的なのは、いわゆる「介護施設」ではないことです。普通の生活空間が広がっています。
また、何よりも驚かされるのは、子供達がワイワイガヤガヤ遊んでいたり、近所の住民が気軽にやってくることです。私が滞在した一時間程度の間でも色々な人が訪れていました。
実はこれが健介さんが最も社会に訴えかけていきたいことなのではないかと私は思います。「高齢者」「介護」という括りではなくて、「人」「生活」あるいは「人生」というより包括的な部分で、人は生きているということ、そして、介護についてもそういった前提の上でサービスは提供される必要があることをぐるんとびーのあり方は示しています。
高齢者、子供、障害者などなど、分けて対応する意味ってなんでしょうか??
健介さんの発想は、すべてごちゃ混ぜです。世代も地域も何もかも。かっこよく言えば、「共生」「包括」とも表現できるかもしれません。
3.常に挑戦し続けること
さらっと、ぐるんとびーについて紹介しましたが、その取り組みのどれもが法律や制度そして私たちが持つ既成概念といった障壁にぶつかりながらも乗り越えてきたものです。
つまり、挑戦なくして、このような施設はつくり上げられないということです。おそらく、団地を利用した小規模多機能型居宅介護施設も健介さんのアイディアの一つに過ぎず、今後も「人」「生活」「人生」にフォーカスして、様々な挑戦に取り組んでいかれるのだと思います。
日本の未来について暗い展望ばかりが踊る昨今ですが、進取の精神を持った人たちが常に挑戦している姿を見ると、多くの課題も乗り越えていけるのではないかと奮起させられます。
また、私自身も自分の得意とするフィールドにおいてプレイヤーとして挑戦を続けていきたいと決意を新たにしました。
ご対応頂きました菅原健介さん他ぐるんとびーのみなさん、ありがとうございました!
ぐるんとびーのHP
http://www.grundtvig.co.jp/index.php
大 和市内訪問施設・活動:15件
神奈川県内訪問施設・活動:16件
神奈川県外訪問施設・活動:25件
日本国外の訪問施設・活動:2件
千里の道も一歩から
神奈川県議会議員 菅原直敏