牛丼チェーン「すき家」で話題になったワンオペ(ワンオペレーション=夜勤帯の一人勤務)。あまりに過酷な勤務状況にアルバイト辞職が多発し、開店休業になる店舗が増え、ついにすき家も方針転換をした事は記憶に新しいところです。
実は介護の現場でもワンオペを行っているところは少なくありません。介護現場におけるワンオペ(各フロアに1人配置も含む)は、実質的に法定の休憩もとれず、違法性も高いのですが、残念ながらなくなりません。日勤帯においては国によって職員の配置基準まで細かく決められているのですが、何故か夜勤帯には基準がなく、無法状態となっている事を知っている人は意外と少ないです。
ところで、「人類が消えた世界」というベストセラー小説がありました。「もしある日人類が忽然と消えたら、その後の地球には一体何が起きるのだろう。」という非常に興味深い思考実験が題材の小説です。
ふと思ったのが、「もし介護現場でワンオペの夜勤帯に職員が忽然と消えたら、その後の現場には一体何が起きるのだろう。」と。こう思ったのは、幸い日勤帯だったが、職場の同僚が急病で倒れ救急搬送されたからです。これが夜勤帯であったならば、、、
まず、排泄介助が必要な人は糞尿をパットで吸収しきれず、朝方には各居室から汚臭が充満しているでしょう。
転倒リスクがありかつ徘徊癖のある人はベッドから離れ転倒し、怪我を負いながら倒れているでしょう。
在宅酸素をしている人のカニューラが寝返りで外れても直す人はなく、呼吸困難でなくなる人も出てくるかもしれません。
利用者の状態にもよりますが、朝方その現場を発見した早番勤務の人は、この世のものとは思えないカオスな状態を見る事になるでしょう。
夜行バスの運転手だって、警官だって、医療現場だって、、、
ワンオペはしませんよね。