神奈川県議会

反対するのも議員の役目

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今日の本会議は、私的には非常に良い議会であったのではないかと思っています。それはいつも議案に反対が原則の共産党以外の会派も議案によって賛否が別れたためです。全ての議案に皆が同じように賛成では、会派が複数あり、議員が105人もいる意味はありません。反対するには労力や説明が賛成する時以上に必要ですが、私の所属する会派は、今日以下の5つの議案に反対しました。

① 知事を含む特別職の給与等を引き上げる条例案

② 議員の報酬を引き上げる条例案

③~⑤ 職員や教員などの給与を引き上げる条例案

会派としての反対理由については、反対討論で飯田議員が述べてくれたので、後日それを参照して頂きたいと思うのですが、私が個人的に反対した理由を以下に付記します。

①については、2月15日の知事提案説明において「実質的には当該年度中の歳入で歳出を賄えていない綱渡りの財政運営が続いています。」と知事が述べています。トップが財政をマネジメントできていないと認めているわけですから、引き上げは厳しいでしょう。

②については、議員も知事同様県の経営に関する責任もあるでしょうし、議員報酬が職員給与の引き上げに連動しなければならない理由もありません。

③については、職員の皆さんの頑張りを考慮すると非常に悩ましいところです。この条例だけは私たちの会派のみが反対しました。ただ、やはり財政が厳しい本県において、来年度以降の財政運営や県民生活の現状を考慮すると引き上げは厳しいという判断に至りました。苦渋の決断です。

以上が、私が5つの条例案に反対した主な理由ですが、実はもっと感覚的な理由もあります。知事、議員、職員は今回の引き上げがなかったとしても、おそらく明日の生活に困る人はいないはずです。しかし、私が働く介護・保育といった福祉の現場では手取りが生活保護の上限額と変わらないくらいで懸命に働いている人たちもたくさんいます。そういう人たちの中には明日の生活に困ってしまうような人も少なくありません。

同じ公的な役割を担っているにも関わらず、こういったところの待遇改善は先送りし続け、知事・議員及び職員が自分たちの給与や報酬を引き上げていくことはやはり違うと思うのです。

千里の道も一歩から