調査活動

世界で最も美しいスタバ??〜平成28年会派北陸視察3日目

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富山県庁を訪問し、「障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例について」、「議会改革について」及び「県立都市公園における官民連携について」調査しました。

1.障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例について

同条例は、富山障害フォーラム(県内の障害者関係6団体の集まり)より、自民党会派に要望書が出され、それを受けた富山県議会によって議員提案という形で策定されました。

・法律よりも厳しい内容

同条例を、障害者差別解消法との比較で考察すると、差別をしてはならない者の条件が法律では「行政機関等・事業者」と限定的であるのに対し、同条例では「何人も」という形で範囲が広い点が重要です。また、「合理的配慮の提供」については法律が事業者に努力義務を課しているのに対し、同条例は義務としています。

・教育を付記

他県の条例との比較では、同条例に「障害及び障害のある人に関する教育の推進」を明記している点が大きな特徴です。この点は非常に重要です。障害に対する理解なくして、条例の目的を達成することは困難であるからです。

・条例のある県はやる気がある

平成28年4月より障害者差別解消法が施行されることに伴い、内容が重複する条例は不要ではないかとの意見や考えがあります。しかし、先月調査した熊本県や今回の富山県の事例からは、むしろ法律ができたからこそこのような条例の必要性を強く感じました。

両条例ともに、法律はあくまでもベースとしながらも独自の特色を条例によって規定しているからです。

説明された担当職員の方に「法律が施行されるが、それでも条例を策定・施行する意義は何か」と問うと、「『障害者団体の方々から、条例のある自治体は障害者施策に対する取り組みへの意識が高い』とのご意見があった」旨のお答えがありました。

また続けて、「このような障害者にかかる条例は当局提案では作りにくく、議員提案で広く県民意見を取り入れながらできたことにも意義がある」旨のお答えもありました。

実際、同条例の制定は平成26年度であり、施行は本年4月からですが、既に障害の理解を進めるポータルサイトの作成や新聞全面広告による周知など具体的な県民理解を進める取り組みを始めています。ウェブサイトは拝見しましたが、非常に見やすく素晴らしいものでした。費用もHP作成に180万円ほどの初期投資がかかったものの運営費は年10万円程度です。

富山県の同条例の取り組みについては、担当者からわかりやすい他県との比較も含めた素晴らしい資料も頂きました。そして、何よりも私が良かったと思ったのは、担当職員の方が同条例を「共生社会を作るための手段」という点をしっかり認識された上で説明にあたられていたことです。

今後も他県の動向も含めて条例について追っていきたいと思います。

2.議会改革

続いて、議会改革の取り組みについて調査しました。

概括的な取り組みについては目新しいものはありませんでしたが、一般質問・予算特別委員会については年間45回づつあり、全ての議員が登壇の機会がある点は参考になりました。

また、民意見を受けて条例を提案する取り組みが何件かあり、特に前述の障害にかかる条例については広聴活動もしっかりなされており参考になる取り組みでした。

3.世界で最も美しいスタバ

富岩運河環水公園における官民連携について調査しました。県立都市公園内に民間の施設を設置することは、都市公園法との関係で困難とされていましたが、そこにスーバックスコーヒーなど民間施設を活用している取り組みとして注目をされてきました。

詳細の報告は会派の視察報告書の担当者に譲りますが、県有財産を有効活用していくことは、財政が厳しい点や県民ニーズという点からも、工夫次第では様々な便益を生むことができます。

調査後、現地も調査しましたが、確かに素敵なスターバックスでした。ただ、このような取り組みが議会・行政関係者に驚きをもって迎えられるくらい行政資産の活用が遅れていることの表れです。同様の取り組みが民間事業者によって行われたら驚く人はいないでしょう。

県立都市公園にスタバができたという話題性も含めて、行政財産活用の一つのきっかけになった事例としては参考になりました。

以上、3つのテーマについて触れましたが、ご対応してくださった職員の皆さんに感謝申し上げます!

千里の道も一歩から