活動報告など

どうする市民自治区

200708031527000.jpg

写真:渋谷西地区の市民自治区の事務所

高座渋谷地区で市民の皆さんのご意見を聞いて回っていました。

@@@

 皆さん、「市民自治区」という言葉をご存知でしょうか?前大和市長が提唱した政策で、市内を約10地区に分けて、各自治区ごとに運営組織をつくり地域計画を策定したり、独自事業を実施したりします。将来的には市から財源、権限を移譲しようというものです。

 マスコミアピールなどを通じ、話題が先行し、市外からも多くの視察の受入をされた施策でもあります。前市長がもっとも力を入れていました。

 既に昨年より実施段階に入っており、高座渋谷及び南林間においては事務所設置し、自治会関係者を中心に多くの人たちが関わっています。その市民自治区が市長の交代によって中止されるようです。

 私は、総合計画の策定の段階から、市民自治を「市民自治区」という形で推進することに対して、議会の質疑などで市長に具体的なヴィジョンや予定を求めていましたが、何一事業がうまくいくような具体的な答弁はあありませんでした。

 他自治体の類似の事例や独自の調査により、制度的にも経済的にも無計画なまま施策を進めることは、市民自治区の運営自体を困難にする旨を議会で報告し、当時の時点での市民自治区の見直しを求めていました。

 残念ながらその提案は前市長に受け入れられることはなく、総合計画の策定段階になり、「市民自治区」の項目がはいった計画が議案として議会に提出されました。

 当時、私が所属していた会派「大志会」は、大和市議会としては異例の修正案を提出をし(計画より「市民自治区」の削除する内容)、体を張って市長に「市民自治区」の再考を求める意思表示をしました。

 もちろん否決されることはわかっていましたが、将来の大和のことを考えると議会の馴れ合いの中で無責任な決断をすることはできませんでした。少なくとも大志会はそう考えたのです。

 あれから数年経ち、理由は私の訴えたものと同じかどうかはわかりませんが、市長の変更によって「市民自治区」は廃案となる予定です。

 当時大志会以外の議員で市民自治区に対して明確な反対姿勢をとった、議員は一人もいなかったと記憶しています。今回再選された市議会議員の方々はこの市民自治区の廃止という市長の考えをどのように捉えているのでしょうか?

 既に、市民自治区は事業として動き出しており、少なからず労力をさいた市民がいるわけです。今ではなく、あの当時に止められていれば、無駄な税金の投下や市民の労力も一切なかったはずです。

 仮に市民自治区の推進に信念をもって賛成したのであれば、体を張って市長の方向転換に異を唱えるべきではないかと考えます。

 全ての責任を前市長の失策に求めるのはよくありません。その失策を議会で議決してきたのは、紛れもない市議会です(もちろん私にも責任はあります)。新市長の下においては是々非々で議論を進めていくべきです。

 市民自治区に振り回される市民をみて感じたことです。